緑の衝撃 


エッ!まさか・・・国産にそんな色のハネカクシが存在しないことはよく知っているつもりだっ
たが、確かに緑のハネカクシが目の前を横切ったのだ。そ、そう この現実を証明するため
に捕獲しなくちゃ。慌てて追跡を開始した。大自然の深さと神秘は図鑑を凌ぐってか?。



伐採雑木
「ゴロゴロ、ゴロゴロ・・・・」一旦、峠に向け出発した直後、雷鳴が聞こえたので引き返し近場の伐採した雑木を乱雑に並べてある場所をチェックすることに変更する。
ナガタマムシの一種 
暑い直射日光のあたる丸太上を元気に飛び回るのはナガタマムシ。網があればたくさん捕れるのだろうが、(たとえ種が違っていても)どれも同じに見えてしまうだろう。
ウスモンアリモドキ? 
体長約3ミリ。四角い大きい頭部、赤い前胸、淡くはっきりしない斑紋。
オニコメツキダマシ 
体長約7ミリ。前胸に深い切れ込みがある。
側面像 
円筒形の体形。これまでコメツキムシとコメツキダマシとの違いはあの「パチン」となる跳ね返りの有無だと思っていたが、この種もプツッと少し跳ねるではないか。驚いた。
謎の小山の正体 
伐採した雑木を並べてある右奥になにやら積み上げて小山状になっている。近づいてみるとキノコを収穫した跡の菌糸ビンの廃物の山であった。
謎の小山の正体(2) 
菌糸ビンというのは正確ではない、円筒状の物体は木の繊維を固めた擬似木で容器には入っていない。一部キノコが生えてきたものもあり、これを見る限り椎茸(しいたけ)栽培の廃棄物のようだ。
謎の小山の正体(3) 
足元を見ると規格外なのか指先くらいのキノコ(なめこ?)も大量に廃棄してあり、崩れた円筒状の物体と混じり、腐敗し異様な臭気を発している。そう、ハネカクシ、エンマムシ、など腐敗大好き甲虫が集まりやすい環境が整えられているのだ。次から次に異なる甲虫が動き回って眺めているだけで面白い。そんな時、緑のハネカクシが視界を横切った。・・・・・・・・・・・・・・!
不明種 
体長約3ミリ。Anisotoma属までは確か。ただ点刻列が全く確認できないので不明種扱いとしておきたい。
不明種 
体長約3ミリ。前胸の周囲が赤褐色になるオオキノコはコヒゲオオキノコが該当するが、触角先端が短縮した感じは見られないので否定される。もう一種、南の島に産するオオキノコも前胸の周囲が赤褐色になるが、はじめから除外している。
緑の衝撃 
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ルリコガシラハネカクシ(♀)比較用 
保育社甲虫図鑑2の画像は♀個体だが、解説に「♂は著しく拡大した頭部を持ち・・・」とある。前胸に並ぶ3+1の点刻列。複眼間に4刻印などこの種の♂に間違いないようだが、緑色は頻繁に現われる色彩変動なのか滅多に現われない異常なのか疑問のまま残る。